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外壁・屋根塗装の見積もり方法

外壁の塗り替えを検討しようと思っても、工事価格がイメージできなければ、予算も組めませんよね。

そんな方のためにご自分で簡単に見積もれる方法をご紹介します。

基本は「積算をして単価を掛ける」だけ

簡単に言ってしまうと、塗り替える部位(場所)の広さ(平米数)や長さ(メーター数)を計算して(これを積算と言います)、単価を掛けるとおおよその予算が出せます。

是非、塗り替えのご計画にご活用下さいね!

積算の準備

まずは、お家を建てた時・買った時の図面を用意しましょう。

住宅塗装の積算の場合、基本的には「立面図」で積算できる事が多いですが、複雑な形状の住宅は「立面図」では見えにくい部分がありますので、補完として「上面図」もあると尚良いです。

また、イロイロ書き込みたいので、コピーを準備すると◎。

オマケの一言

直接積算には関係ありませんが、塗装屋さんに図面を見せる時は、更に「部材表」があると良いと思います。適切な下塗りの材料や工法の選定に役たちます。

外壁材には様々な部材があり、下塗り材の選定を間違えると「膨れ」や「剥がれ」等、思わぬリスクが発生してしまいます。ご注意下さいね!

1)外壁の積算

最初に総面積を出します。

外壁の高さ(H)と幅(W)を掛けて、東西南北のすべての壁面の面積を出します。バルコニーの内側も忘れずに入れてください。

高さ(H)× 幅(W)= 外壁の総面積

オマケの一言

採寸の際、1/600等、色んな縮尺が測れるので三角スケールがあると便利です。ただ、住宅の図面の場合は、1/100スケールの物がほとんどですので、普通の定規を使って1cmを100cm(1m)と見なして採寸してもOKです。

次に、塗装しない部分を積算します。窓、玄関ドア、雨戸、戸袋など、外壁以外の部位の面積を出し、先ほど計算した「総面積」から引きましょう。

それが、塗装する外壁の面積です。正直簡単ですが、面倒なので総面積で算出する塗装業者さんもいるみたいですが、それだと必要な塗料の量が分からないですよね。

総面積 – 開口部 = 塗装する外壁の面積

オマケの一言

雨戸や戸袋を塗装する場合は、こちらも控えておきましょう。

仕様によっては(ガラリが有ったり等)、仕様と単価が外壁と違いますので、通常は外壁とは別の項目で見積もりします。

以上で、外壁塗装の積算ができました。

ついでに、雨戸や戸袋の面積も控えておくと、付帯箇所の積算がラクチンです。
続いて屋根塗装の積算をしていきましょう。

2)屋根の積算方法

屋根は形状ごとの面積を算出し、足して総面積を出します。

計算はとてもシンプルで、屋根の奥行(D)と幅(W)から屋根の面積を出します。

ここでは切り妻屋根を例としていますが、屋根の要素は「台形」「三角形」「四角形」がほとんどですので、こちらもごく簡単ですよね。

スレート屋根などの平滑な屋根材はこのままでOKですが、モニエル瓦、折板などの平滑でない屋根材の場合は、それぞれの係数をかけ算します。

※下の図面の場合の計算式

奥行(D)× 幅(W)= 屋根の総面積

オマケの一言

やってしまいがちなのが、奥行(D)と間違えて、高さ(H)を掛けてしまうこと。

これをしてしまうと、積算した面積が小さくなってしまいますのでご注意下さいね。

各屋根材の係数例は次の表を参照下さい。(※下の表は一例です)

屋根材ごとの係数

屋根材の種類 写真(例) 係数 計算式
(屋根面積が100㎡の場合)
モニエル瓦
センチュリ
オンタイプ
1.16 100×1.16=116㎡
折板屋根 S60タイプ:1.7
M60タイプ:1.4
ルーフデッキ:1.4
※折板は種類が多いので
上記は一部となります。
100×1.7=170㎡
100×1.4=140㎡
100×1.4=140㎡
波スレート
屋根
大波(1号):1.15
小波(2号):1.2
100×1.15=115㎡
100×1.2=120㎡
瓦棒屋根 1.2 100×1.2=120㎡

以上で、屋根塗装の積算ができました。さぁ、あと残すは付帯箇所です!めげずに頑張りましょう!

3)付帯箇所の積算方法

最後に付帯箇所の算出をします。具体的には、目地コーキング・軒天・雨戸・戸袋などのことです。

目地・シーリング
※主にサイディングのお宅のみ

残念ながら、目地は図面に載っていないケースがほとんど。実物の建物を確認して図面に赤ペン等で印しをしていきます。

できれば図面でメーター数を計り、東西南北を合算しましょう。これで目地の積算は完了です。

目地・シーリングは「メーター数」を算出

オマケの一言

シーリングは、主にサイディングボードの外壁にのみ施工してあります。

既設のシーリングの有無は見た目で分かりますので、無ければ大方の場合「シーリングが不要な外壁」と考えて良いでしょう。

軒天

軒天も、幅(W)と奥行(D)を掛けて面積を出します。
(右図では、南面の図面から「幅(W)」を、西面の図面から「奥行(D)」を測っています。)

ここでは立面図からの積算をご紹介していますが、平面図でも積算可能です。

軒天は「平米数」を算出

オマケの一言

メーターで積算する業者さんもいるようですが、住宅により「奥行き」もまちまちですので、私としては塗料の必要量が分かりやすいという事も含めて平米数で積算する方が良いと思います。

破風・鼻隠し

破風・鼻隠し等のような狭い幅で長さのあるものは、長さ(M数)で出すのが一般的です。
東西南北のメーター数を測って、足すだけでOKです。

破風・鼻隠しは「メーター数」を算出

※雨戸や戸袋は前述の「外壁」の積算の際、開口部として計算していますので、省かせていただきます。

積算まとめ

おおよその積算の仕方をご理解頂けたでしょうか?
最後にまとめると広さのある部位は平米数(㎡)で、広さがなく長い部位は長さ(M)を算出する。これで積算はバッチリです!

積算のポイント

広さのある部位は【平米数(㎡)】を算出
広さが無く長い部位は【長さ(M)】を算出

これで積算は完了です。

見積もりの金額の算出

積算が出来たら、 算出した数字(平米数、メーター数)を単価に掛けましょう!

塗装をしたいそれぞれの部位に単価を掛けて「見積もり」の出来上がりです!
別ページの単価表を参考に算出してみてくださいね。

※住宅の足場は、おおよそ14〜18万円位が相場だと思います。ただし、屋根の勾配がキツいと屋根足場という足場が必要になることもあります。その場合はもう少し高くなります。

オマケの一言

住宅の塗り替えの場合、外壁や屋根の他にも付帯箇所も塗装します。項目の例は下の項目を参考にしてみてくださいね。

  1. 外壁
  2. 屋根
  3. 破風・鼻隠し
  4. 軒天
  5. 雨戸・戸袋
  6. 雨樋
  7. 小庇
  8. 外壁目地(シーリング)
  9. サッシ廻り(シーリング)
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